オカルト3 異世界のトンネル

メキシコシティの日本人の集う宿、ペンション・アミーゴで会った女の子から聞いた話。

彼女がもう一人の女の子と日本の田舎町に旅した時の話。

夜日が暮れてから駅について宿に電話して行き方を聞き、指示にしたがって寂しい道を二人で歩いているとトンネルに当たった。

それが暗く、なんとも薄気味悪かったのでやめようということになって、後戻りして迂回しながらだいたいの方角を頼りに進みながらなんとか宿に着いた。

宿の人にその話をするとその人は驚き、道中トンネルなんかないと言われた。

こちらは二人で見たことだし間違いはありませんと言っても、向こうは絶対にないという。

翌朝二人で昨晩駅から辿った道を確認し、その周りもいくら散策してもトンネルはなかったという。

話してくれた女の子と出会っていっしょに過ごした時間は少なかったが、どちらかといえばしっかりして飾らないタイプで、とても作り話をしている感じではなかった。

この話を思い出す度にもっと詳細を聞いて、どこの(町の名前は聞いたけど失念)なんていう駅だったかちゃんと覚えておけばよかったと思う。

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