旅先で聞いたオカルト話です。
ペルーのクスコで親しくしていた友人の体験で、若いころ(10代後半か20代前半と思われる)アマゾンのラ・ミナと呼ばれる金の採掘場に出稼ぎに行っていた。
文明化されていないジャングルを開いたところに労働者が集まっているような場所なので、一日の終わりに川で行水するのが日課だった。
ある夕方、川に入り水浴びをしていると両足首を強く手で掴まれた。
慌てて振り切るように岸に上がったが何があったか見当もつかなかった。
そのままキャンプに帰って寝たが次の日に聞いた話はこうだった。
行水する場所には、川にロープをかけて向こう岸と往復する筏の渡船があったが、前日友人が行水する前に、その船頭が酔っ払って溺れ死んだ。
「おまえが足を掴まれたときはまだ生きてたんじゃないのか?」冗談で聞いたが、溺れたのはその日の昼間だったらしい。